誰にも見えない
主人公の瑠菜は、私立女子中学の二年生。毎朝、お天気キャスターの吉岡さんのことがかっこいいなあ、などと思いながらひとりで朝食をとり、電車に乗って学校へ向かう。本はけっこう好きで、でも、まわりに自分が読んだ面白い本の話ができる友達がいない。だから、みんなの話題に話を合わせている。家に帰れば、エリートサラリーマンの父と、カルチャースクール通いに熱をあげる母がいる。ある日。瑠菜は、自分が誰とも繋がっていないと思ってしまう。そして、ひとり電車に乗ってある場所を目指すが、彼女にやさしい奇跡が起こる。