十三人の刺客
明石藩江戸家老間宮が、老中土井大炊頭の門前で切腹自害を果たした。間宮の死は、生来の残虐な性格で罪なき民衆に殺戮を繰り返す藩主・松平斉韶の暴君ぶりを、命を以って訴えたものだった。しかし、斉韶は十一代将軍・徳川家斉の弟であり、翌年には老中への就任が決まっていた。このままでは幕府、ひいては国の存亡に関わると判断した土井大炊頭は斉韶暗殺を決意。そして御目付役・島田新左衛門を中心として十三人の侍たちが極秘裏に集められた。こうして前代未聞の暗殺計画が始動した。狙うは江戸から明石への参勤交代の道中。果たして密命は果たせるのか…。
関連小説
四十七人の刺客四十七人の刺客
「今宵、吉良を殺す」-それは謀略の終結を意味した。赤穂藩廃絶後、大石内蔵助は藩士の被った恥を栄光に転化する為、密かな奔走を開始する。大坂塩相場に、町人の噂話の巷に、悲運に泣く女たちの許に…。内蔵助の仕掛けた刃は討入り前にすでにして吉良・上杉一門に迫り、雪の師走十四日は審判の日となった。忠臣、浪士ではなく“刺客”と化した四十七士を気高く描く画期的作品。 1995/09/01 発売