風雲の幕末、軍事顧問団員として来日した仏人士官ブリュネは滅びゆく幕府軍に身を投じ、遙か箱館五稜郭まで戦い抜く…。義に生きた男の「侠血」を軸に真っ向から維新史に挑む、十年の歳月をかけた遺作。維新史を描く歴史文学の新たなる古典。
山で野生児として育った虎が、ある日村人に捕まってしまう。その窮地を四郎という少年に助けられる。天草四郎と虎の出会いだった。当時、島原と天草では切支丹迫害が苛烈を極め、蜂起が企てられつつあった。他方、老中・松平信綱は、幕府という権力の箍を締め直そうとしていた。父の邪心で切支丹の旗頭にされた四郎。純真な心で四郎の護衛役となった虎。乱を欲する、心の闇にとらわれた信綱。交錯する三人の思惑。時代が大きく動きはじめたー。「島原の乱」新解釈、衝撃の歴史長編! 2014/05/15 発売