ブラック・ムーン
新選組副長・土方歳三は箱館で落命したーはずだった。頭部に銃弾を受け記憶を失った土方は“内藤隼人”と名を変え、彼を慕う時枝ゆらとともに米国西部へと渡った。元新選組隊士・高脇との決闘の末、断崖から転落した隼人。意識を取り戻した矢先、母子が何者かに襲撃を受ける場面に遭遇する。隼人は、トウオムア(黒い月)と名乗るその母親とともに、さらわれた息子の奪還に乗り出すことになるが…。一方、ゆらの元には、兄である新一郎が岩倉使節団の一員としてサンフランシスコを訪れるという情報が舞い込む。帰国の好機に喜ぶゆらだが、隼人の消息は杳として知れぬままであった。果たして二人は、再び故郷の地を踏むことができるのか?