後深草院の宮廷を舞台に、愛欲と乱倫、嫉妬の渦に翻弄される女官・二条。幼くして生き別れとなった娘・露子が、二条の遺した日記を繙きながら、晩年は尼となり自らの脚で諸国を遍歴するまで、美しく、気高く、そして奔放に生きた実母の人生を辿る。