孤拳伝(四)
宗陵元との深夜の死闘を演じた朝丘剛は、熱も冷めやらぬまま神戸を後にする。劉栄徳、由佐肇ー二人の達人を破るべく武者修行を続ける剛。漂泊の星の下に生まれた男に安住の地はない。岡山に美作竹上流の本拠を訪ねた剛は鉢須賀了太に出くわす。偶然の再会にライバルたちの血は滾る。『修拳会館』で心の技を磨いた鉢須賀に道場破り同然の試合を申し込む剛。かつて闇試合で激闘を繰り広げた二人に決戦の幕が切って落とされた!
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狂犬のように戦いを渇望し、闇試合で並みいる強敵を下して無敗を誇った朝丘剛。だが、恩師にして中国武術の達人・劉栄徳の前になす術なく敗れる。なぜあの小柄な老人に勝てないのか?彼我の功夫にいかなる差があるというのか?西下する列車で剛は考える。伊賀流忍術の使い手、柳生新陰流の剣術家。剛の前に次々と現れる日本の伝統武術を極めた武道家たち。そして、別れ。剛は今どこへ向かおうとするのか? 2017/11/22 発売