小説むすび | ペニス

ペニス

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富にも人望にも性交能力にも恵まれず、チャイコフスキーを友とし鬱蒼たる公園の管理人として生きる、誰からも羨まれることなき50歳の“わたし”は、ロッカーからまろび出てきた見知らぬ遺体の投棄に失敗し、その冷凍保存に踏み出す。解き放たれた心的外傷が次々に姿を成して管理所を訪れ、恥辱の記憶は踊り、煩悩の連鎖は矮小な舞台を無限の煌めきへと砕き尽くす。著者が20世紀に遺した、文学史上有数に奇妙で、物悲しく、諧謔に満ちた理想宮。

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