小説むすび | 商店街のジャンクション

商店街のジャンクション

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出版社

早川書房

発売日

2021年1月21日 発売

着ぐるみだ。一応、犬ということになる。チョッキーという名もついている。中に入った人は、商店街の映画館でかかる映画タイトルの刷られたチラシを配る。ただそれだけの存在だったー3人が中に入るまでは…滝田徹は、小学生の頃に突然愛犬を失くした。今の仕事に意義を見出せないが、チョッキーの中に入ると守られている気持ちになった。水谷佳菜は、日常生活において「右」を選択する頑なな習慣に縛られていたが、チョッキーの中にいる間は普段なら怖くて出来ないことも出来そうな気がした。兵頭健太は、女に追われている身だったが、チョッキーに入れば逃げてばかりの人生が変わる気がした。3人は、それぞれ自分であることの意味を、ゆっくりと、でもーたしかに見出してゆく。人生の岐路にたった時、進む道を照らしてくれる、温かな物語。

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