声【こえ】の優【わざおぎ】
澤山千春は採用された会社の内定を断わり、声優養成所“荻窪アクターズスクール”に入った。日々多彩なレッスンをこなす中、同期たちとの絆は強まっていく。ルックスのよい亮二郎、会社員を辞めて夢を追う甲斐斗、売れないグラビアタレントから路線変更を目指すマヤ、香港生まれのアニメ好きニーナ、と個性的な面々ばかり。ある日、更衣室で見つけた紙片に書かれた言葉の謎を解いた千春は、声優としてたいせつなものを知ることに…とある種類の本だけ朗読できない亮二郎の苦悩、アニメの公開オーディションに挑むニーナの挫折と秘策、恋人からある“宣告”をされた甲斐斗の悲哀ー千春たちは夢である声優になることができるのか?声優を目指すすべての人におくる青春小説。