戦国妖剣録
天下統一を成し遂げた豊臣秀吉の晩年の頃、ひとりの剣客がいた。名は、朧愁之介。年の頃は27、8で長身痩躯。彫りの深い顔には、冷徹な色と妖しい色気が漂っている。伏見の船宿の二階に居候しているが、腕は滅法強い。必殺剣は、長刀・備前長船景光をひっさげての「影の灯火」だ。愁之介には出生の秘密があった。千利休の妾腹の子なのだ。ある事件を追っているうちに、父利休の死の謎に突きあたる。真相を暴かんと単身敵地に斬り込むが、その結果、石田三成の陰謀と千利休の思いもよらぬ出自が浮かびあがる。
天下統一を成し遂げた豊臣秀吉の晩年の頃、ひとりの剣客がいた。名は、朧愁之介。年の頃は27、8で長身痩躯。彫りの深い顔には、冷徹な色と妖しい色気が漂っている。伏見の船宿の二階に居候しているが、腕は滅法強い。必殺剣は、長刀・備前長船景光をひっさげての「影の灯火」だ。愁之介には出生の秘密があった。千利休の妾腹の子なのだ。ある事件を追っているうちに、父利休の死の謎に突きあたる。真相を暴かんと単身敵地に斬り込むが、その結果、石田三成の陰謀と千利休の思いもよらぬ出自が浮かびあがる。