小説むすび | 闇の守り(上)

闇の守り(上)

闇の守り(上)

出版社

徳間書店

発売日

1991年6月1日 発売

雲が低く垂れこめた空の下で、キーリー神殿はみすぼらしくその廃墟をさらしていた。石の壁は蔦でおおわれ、タイル敷きの地面には夏草が茂っている。ルカリーとノリアの2人の家には両親はいない。数年前に惨殺されたのだ。ここへさ迷いこみ、将来を誓いあったとき、不思議な音を聞いた。キーリー神の神像のある方向の瓦礫の床の上にそれはいた。犬か狼か?4本脚で這う異形の赤子だった。その音は、リィ・イ・ン-『与えられし者』という言葉に聞えた…。このとき3人の悲運の扉が開かれた。ひかわ玲子の傑作巨篇。

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