スクランブル小町
ドサッ。結城凱大尉の車のナビゲーターシートに何かが落下した。純白のドレス、長いヴェール、手にしたブーケ、花嫁だった。「ほら、青」体を起こした花嫁は信号を指差し、凱は思わずアクセルを踏んでいた。バックミラーには血相を変えて追ってくる新郎と参列者たち。その直後、どこからか消音銃が追跡者の肩を裂き、後方へ吹っ飛ばした。「あーあ、貸し衣装なのに」プロの業を見せつけた彼女は「高速機動特殊執行部隊のランドルフ大佐」と名乗った。彼女こそ高機が誇る(豹の瞳)だった。新鋭の書下しコンバット活劇。