拳豪宮本武蔵
豊前船島、すなわち巌流島で佐々木小次郎を打ち倒して1年半が経つ。宮本武蔵は、高野山を目指し紀ノ川沿いの道を登っていた。山には「御前」と呼ぶ良覚上人がいて、武蔵は心の空虚さについて問答をしにきたのだ。そして剣2刀を上人に預けて丸腰になった武蔵は、柔の始祖といわれる竹内道場の門を叩く。そこで武蔵は高野山の武装僧侶団に襲われる。武蔵が良覚上人を殺し、山の「宝」を盗んだという理由であった。風雲急を告げ、大坂冬の陣がまさに始まろうとしている折、武蔵の身辺も慌ただしくなって、決断を迫られる。書下し長篇時代アクション。