一尺五寸の魂
昭和の初め。“三尺の辰”こと磯貝辰之助、身の丈四尺三寸、侠気の巷に生きる1匹の虫。花火の三尺玉同様、前後の見境なく逆上してははぜる。道頓堀界隈を這う。一大歓楽街開発をめぐり、二雄の熾烈な諍いが起こり、小村の旦那に“買われた”三尺の辰、敵方・西塚を刺し、5年後出所。辰を待ちうけた道頓堀は…(表題作)。流転する人の世と時代の底で蠢く男たちの哀歓を描破する傑作集4篇。
昭和の初め。“三尺の辰”こと磯貝辰之助、身の丈四尺三寸、侠気の巷に生きる1匹の虫。花火の三尺玉同様、前後の見境なく逆上してははぜる。道頓堀界隈を這う。一大歓楽街開発をめぐり、二雄の熾烈な諍いが起こり、小村の旦那に“買われた”三尺の辰、敵方・西塚を刺し、5年後出所。辰を待ちうけた道頓堀は…(表題作)。流転する人の世と時代の底で蠢く男たちの哀歓を描破する傑作集4篇。