女人武蔵(上)
文禄四年七月、関白秀次は太閤秀吉の勘気を蒙って高野山で自害、享年二十八。その時、秀次の家老・白井民部の妻三保は乱倫な秀次の胤を身篭っていた。一族が処断されようとするさなか、民部は秀次の胤を残そうと三保を生国の志摩に落ちのびさせた。この志摩で生まれたのが千加と由加の双児の姉妹。やがて、千加は宮本武蔵と、また由加は出雲の阿国と出会い数奇な運命に翻弄されてゆく。戦国絵巻時代長篇。
文禄四年七月、関白秀次は太閤秀吉の勘気を蒙って高野山で自害、享年二十八。その時、秀次の家老・白井民部の妻三保は乱倫な秀次の胤を身篭っていた。一族が処断されようとするさなか、民部は秀次の胤を残そうと三保を生国の志摩に落ちのびさせた。この志摩で生まれたのが千加と由加の双児の姉妹。やがて、千加は宮本武蔵と、また由加は出雲の阿国と出会い数奇な運命に翻弄されてゆく。戦国絵巻時代長篇。