海を飛ぶ鷹(上)
嘉永二年、公儀隠密・稲葉百介は漂流民を装って長崎に潜入。加賀の豪商・銭屋五兵衛の船が抜荷買いをしている確証を掴むためである。百介は思惑どおり、まず沖仲仕の元締・甚兵衛に雇われ、やがて首尾よく銭屋の持つ船の船子となって、本拠地の加賀国宮腰へ渡った。だが百介は、幕命を全うする目的を離れ、河北潟の干拓という難事業に取り組もうとする老商・銭屋五兵衛の姿に魅せられてしまった。歴史長篇。
嘉永二年、公儀隠密・稲葉百介は漂流民を装って長崎に潜入。加賀の豪商・銭屋五兵衛の船が抜荷買いをしている確証を掴むためである。百介は思惑どおり、まず沖仲仕の元締・甚兵衛に雇われ、やがて首尾よく銭屋の持つ船の船子となって、本拠地の加賀国宮腰へ渡った。だが百介は、幕命を全うする目的を離れ、河北潟の干拓という難事業に取り組もうとする老商・銭屋五兵衛の姿に魅せられてしまった。歴史長篇。