狂犬刑事蛮行
四谷署刑事課勤務時代に誤認逮捕の責めを負わされてからというもの、勝手気ままに生きることを決意した土門岳人警部補が、いまだに警視庁捜査四課の暴力団係刑事を務められるのは、有資格者の醜聞や不正の証拠を握っているからだ。むろん、闇社会の猛者たちも、ヤリたい放題の土門に対しては、「触らぬ神に祟りなし」と、見て見ぬフリを決め込んでいる。その“狂犬”に、美人フリー・ジャーナリストの久世沙里奈から電話があった。聞けば、同棲している銅版画家の轟麻衣が三日前から行方不明という。どうやら、いま沙里奈が取材中のインターネット犯罪集団“報復屋”が絡んでいるらしい-。