街は人々の絆とともに発展して行く-。明治・大正にかけての、小さな城下町・岩井の人間模様と歴史を描く長篇小説。
奥州街道沿い、旧伊達領の北の外れにある、小さな城下町岩井。ここに鉄道が敷かれるという見通しを得た上村屋旅館の若旦那菊乃は、停車場の建設予定地と予測した吸川の埋め立て工事を請け負うよう、父の万治を説得した…。明治初期から大正末年にかけて描かれる、菊乃を中心とした岩井の町の人間模様。人々の絆が町を発展させ、町が人を育んでいく。しみじみと心に響く、傑作長篇小説。 2000/04/15 発売