明日、月の上で
ブンちゃんはずっと前から、あたしのたった一人の恋人だった。悲しいのは、それがひとり決めだということ。そして、あたしの人生はいつも、そこにはいないブンちゃんに支配されてしまうのだ。初恋がすべてになるなんて、あたしの人生は、そんなはずじゃなかったのに。あーあ、一途で健気で、ほとんど演歌。あたしも古い女です。-子供の頃から「とんがりトビ子」と呼ばれ、26歳になった今も、他人の物言いにいちいち喧嘩腰に反応してしまうとび子。恋するブンちゃんを捜し求めてたどり着いたひなびた温泉で、涼風、旋風、突風、いろんな風を巻き起こす。