小説むすび | 夏の教室

夏の教室

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僕達に、生まれてからの記憶はない。左眼のバーコード、ドッグタグ、十六歳。それだけが、僕のアイデンティティ。何をしても自由、モノに溢れたこの街では十七歳になると、みんな消えてしまう。一花の十七歳のバースデイまで、あと一週間。壁に囲まれた永遠に真夏のこの世界から、僕は彼女を連れて逃げられるのだろうか。“十七歳の儀式”を通じて描かれる、美しくも残酷な思春期の寓話。「教室」シリーズ、待望の完全版。

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