「島流し」とさえ言われる、雪降りしきる陣屋で…勘定、検見や郷まわり、仕事に忙殺される鉄之助。着物や白粉、紅を買う余裕のない妻、紀久。桑名に子を残し、遠く越後に赴任してきた夫婦はふるさと帰参の願いを梅に託す。望郷の念が胸を衝く、至高の時代小説!
桑名藩から飛び地・越後柏崎へ赴任してきた若い夫婦。二人を待っていたのは、厳しい陣屋の暮らし、海鳴り止まぬ過酷な環境だった。勘定や検見の仕事に忙殺される夫、渡部鉄之助。そして古着の着物さえ買う余裕のない妻、紀久。桑名に長男を残してきた夫婦は、故郷から持ち込んで番神堂に植えた梅の苗木に望郷の念を募らせていく。子を想いながら、日々を懸命に生きた女の一生が胸を衝く! 2018/03/07 発売