菓商
慶応元年伊万里に産声をあげ、陶器問屋を営む伯父の下で、幼いころから学問と商人の道をたたき込まれた森永太一郎。コンニャクの行商からはじまり、幾多の艱難辛苦を乗り越えてきた二十三歳の年、ある事情から九谷焼を携え渡米することになった。唯一残ったのは借金であったが、彼の目の前に現れた女性が差し出した、たったひと欠片のキャンデーが彼の人生を大きく変えていくことになった。書下し起業家伝。
慶応元年伊万里に産声をあげ、陶器問屋を営む伯父の下で、幼いころから学問と商人の道をたたき込まれた森永太一郎。コンニャクの行商からはじまり、幾多の艱難辛苦を乗り越えてきた二十三歳の年、ある事情から九谷焼を携え渡米することになった。唯一残ったのは借金であったが、彼の目の前に現れた女性が差し出した、たったひと欠片のキャンデーが彼の人生を大きく変えていくことになった。書下し起業家伝。