大店の箱入り娘と咲くことのない恋に落ちた手代が、妾殺しの濡れ衣を着せられた…。暢気同心の長尾勘兵衛は手代を救うことが出来るのか?町人と武士との間に、人情という橋を架けて渡る同心の生き様を、情緒ある筆致で巧みに描く。