「僕の命、誰かいりませんか?」いじめられっこの小学生・透は5日分の自分の未来を他人にたくすことにしたのだが…。傷ついた少年が命の輝きを取り戻すまでをみずみずしい感性で描きあげた物語。
泥棒長屋に流れ着いた老婆の悲しみが、出世にとことん無欲だった若き慶次郎の思いと交わる表題作「あした」。無精な夫を捨てた、髪結い妻の思わぬ本音を描く「春惜しむ」。内緒の逢瀬を重ねてはらんだ娘が、未来ある思い人を必死に庇う「むこうみず」など、円熟の筆致が香り立つ江戸の哀歓十景。慶次郎への尽きぬ思いを語る、生前最後の著者談話も収録した、人気シリーズ第13弾! 2014/09/29 発売