わたしは蜜にして、ナイフ-鮮烈な色・香・熱にむせぶメキシコの陶酔。第34回文芸賞受賞作。
蜜の雨が降っている、雨は蜜の涙を流してるーある作家が死んだことを新聞で知った真楠は、恋人にあてて手紙を書く。咲き乱れるブーゲンビリア、ベラクルスの熱風、グァバの匂い、ハチドリの愉悦の声。メキシコを舞台に、鮮烈な色・熱・香・音が甘やかに浮かび上がる恍惚と陶酔の世界。短篇「紅茶時代」を併録。第三四回文藝賞受賞作。 2010/08/03 発売