水漬く魂(第1部)
新聞記者・堀口大示は長男が精神を病んでいることに心を痛めつつ、長く会わない友人の運命を思いやる。友人・河井はある過激派の非合法活動家として潜行しているらしい。そんな中、大示はやはり新聞記者であった父の日記をひもとく…。時代の波にのまれ、時代とたたかった新潟・長岡出身の一族とその友人たちの、数奇な運命の群像を描く巨篇。
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1930年代、上海。ロシア人美少女、美貌の共産党員、青幇や将校が交錯する闇に降りかかった日本人従軍記者は何を見たのか。時代にあらがう魂たちの物語、波乱の第二部。 2007/05/30 発売
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堀口剛蔵の弟、参蔵は生来の嘘つき、それも他人のために虚言をはく、という性癖を持てあましながら、漂うように戦後を生きてきた。参蔵は剛蔵の妻・美那に思いをよせる。美那は自死した剛蔵を許さない気丈な女だが、やがて自らも悲劇的な末路をえらぶ。悲しみはどこまで続くのか。 2007/06/30 発売
水漬く魂(第4部)水漬く魂(第4部)
新聞記者をやめ、新たに雑誌にかかわる大示が半生をふりかえる。少年期をへて、六〇年代、政治の季節に青春を迎えた大示のかたわらにいたのは盟友・河井だった。大示が思いをよせる田中早苗は、河井へひきよせられる。三人の運命が絡み合う中、政治の季節最後のクライマックス=東大・安田砦の陥落が迫る。 2007/07/30 発売