おわりのそこみえ
日当7500円のバイトに遅刻しないため2000円払ってタクシーに乗り、スマホで消費者金融のアプリとマッチングアプリを交互に見る生活を送る、買い物依存で性依存の美帆。両親は貧乏で不仲。バイト先で再会した元同級生の宇津木は、筋金入りのストーカー。アプリで知り合ったアメと刹那的なセックスをし、ほとんど知らないベトナム料理屋の店員ナムちゃんが「唯一の友達」。その人生の歯車は、あるひとつの死をきっかけに急激に加速してー。地獄へと爆進する美帆と、全員が常識外れの登場人物たちを、軽やかな文体で活写する衝撃の問題作。第60回文藝賞優秀作。