西郷隆盛の下野とともに陸軍少将を辞して、故郷薩摩で私学校幹部になる一方、農地の開墾にあたっていた桐野だったが、時代の奔流は彼を西南戦争という舞台へ押し出していった…。新事実と解釈によって、青雲の志に生きた全く新しい桐野像を描く意欲作。
「俺はこの人のためとあれば命を棄てても惜しくなかぞ。」-西郷隆盛の人柄に惹かれた中村半次郎ーのちの桐野利秋は、得意の示現流の腕に冴えを見せ、「人斬り半次郎」の異名をとるようになった…。維新に賭ける志に生きた薩摩武士の若き日の情熱と颯爽たる生き方を描く。 1998/07/21 発売