薄れゆく下町人情、女と男の粋。蘇る昭和の面影に郷愁が馳せる。平成の夜明けを前に、昭和を哀しくも毅然と生きる料亭の女将と、見守り続ける男の姿を描いた本書初収録の表題作『ぐい呑み』ほか、人情の機微が興趣深い珠玉の自選短篇集。