政宗の天下(1)
慶長5年(1600年)9月、伊達政宗は関ヶ原に向かう徳川家康に呼応し、白石にあって上杉景勝と対峙していた。上杉勢の背後からの追撃を政宗が阻止することは、関ヶ原の決戦勝利の絶対条件。天下の行方を定める鍵を政宗が握ったそのとき、政宗は景勝と密かに和睦、矛先を江戸城攻撃へと翻した。政宗離反を知った家康は、急遽、軍を江戸守備の要・川越城にとって返すが…。江戸攪乱に動く伊達藩の陰の軍団・黒脛巾組の暗躍。家康必死の巻き返し策とは…。歴史の大転換点を大胆な発想で捉えなおす、著者会心の書下ろし歴史傑作シリーズ第一弾。