ロンドン狂瀾(下)
ロンドンでの雑交渉を終え、全権団は帰国した。しかし、条約の内容を受け入れられない軍令部は、統帥権の独立を楯に批准に反抗。輿論は二分し、議会での論戦も混迷の一途を辿るばかり。土壇場での条約破棄を阻止するため、雑賀ら政府の面々は、軍人、枢密院、そして輿論に対して瀬戸際の攻防で対峙するー。史実の中に浮かぶドラマを、精緻かつ情熱的に描ききった傑作!
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ロンドン狂瀾ロンドン狂瀾
1930年1月、霧深きロンドン。米英仏伊、そして日本の五大海軍国によるロンドン海軍軍縮会議が始まろうとしていた。世界恐慌が吹き荒れ、緊縮財政と戦争回避が叫ばれているなかではあったが、各国それぞれの思惑と輿論を抱え、妥協点を見出すのは容易ではない。日本の全権団長は若槻礼次郎。随員には雑賀潤外務省情報部長がいた。難航を極める交渉の果て、雑賀は起死回生の案を捻り出すがー。誇り高き外交官の活躍と、統帥権干犯問題の複雑な経緯を、精緻かつ情熱的に描ききった、今こそ読まれるべき傑作。 2016/01/18 発売