奈良時代ー国家の威信をかけた大事業、東大寺大仏建立。そこで働く名も残さぬ多くの若者たち。彼らの心と身体を支えるのは、一膳の飯だった。人の生と死を食の視点から描く、熱きドラマ!
奈良時代、東大寺の大仏造営事業が進む中、故郷から造仏所に徴発された真楯。信仰心など一片もないのに、仲間と共に取り組む命懸けの労役は苦難の連続。作事場に渦巻く複雑な人間模様も懊悩をもたらすばかり。だが、疲れ切った彼らには、炊屋の宮麻呂が作る旨い料理があった。一膳の飯が問いかける仏の価値とは!?食を通して造仏に携わる人々の息遣いを活写した傑作時代小説。 2018/06/12 発売