洗濯屋三十次郎
優秀な兄に代わって中島クリーニングの店長を引き継ぐことになった、三十次郎。しかし、先代のときからずっと仕えてきた荷山長門は、何のクリーニング知識も持たぬ能天気な若者に、不安を感じていた。どこかかみ合わない二人。そんな彼らのお店にある日、ナコという少女がやってくる。少女の持ってきたブラウスには、ケチャップの染みと祖父の遺灰がかかっていた。少女は、おじいちゃんの灰は取らないでとお願いするのだが…。服の汚れ、人の心の染み、そこについて残った想いに気づいたとき、昨日の染みは明日への希望に繋がっていくー心が強く震える傑作小説の誕生!