青い雪
雪降る夜、ひとりの女が身を投げた。それがすべての始まりだった。非業の運命に翻弄されながらも、強く生きる人々を描く慟哭の長編ミステリー。夏の数日をともに過ごす三組の家族を、悲劇が襲う。最年少の五歳の少女が失踪したのだ。事件性も疑われるが、手掛かりが乏しく、行方は知れぬまま。穏やかな避暑地での日々は永遠に失われてしまったー。三組がそれぞれに秘めた複雑な家庭の事情と、長い時を経て発見された一通の告発状。絡み合った謎が氷解したとき、明らかになる真実とは?第25回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。