切なくても、哀しくても、人の数だけ、愛のかたちがある。七つの哀しみや諦め、その果てに…。遠く遠くなのかもしれない明日を信じて。
茉祐子は火山の麓で百年以上続く温泉旅館を営んできた。三十代半ばだが、年より若く美しい彼女が深い仲になったのは、新聞の支局員、火山の研究者、新任の教師。時が来れば、彼女の元から去って行く男たちばかりだった。旅先のNYで出会った初老の夫婦の言葉に彼女の凍りついていた心が解きほぐされる表題作など男女の深淵を描く傑作揃いの短編集! 2017/05/11 発売