小説むすび | 少年・卵

少年・卵

少年・卵

出版社

サンリオ

発売日

1993年6月25日 発売

彼らがみつめている、奇怪な人物。それは、まだほんの10歳くらいにしか見えない、小さな少年だった。背もたれのない丸椅子にちょこんと座り、両手でひざをかかえている。少年はひどくやせこけ、顔から飛び出さんばかりの大きな目が、長い前髪の下で、異様な輝きを放っていた。なにかの昆虫みたいだ-と鳥子は思った。学園ドラマ風の冒頭から一気に谷山浩子の「迷宮」に突入する書下し長篇ファンタジー。

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