黄金万花峡
天保4年の春のことであった。身延街道の1要地たる興津川に沿う小島の猫背山下の一本松に集まった織部熊太郎ら3人の武士が、鉄拐飛介という若者に松の根方を掘らせて取り出したものは。それこそは、200年の昔、寛永10年に埋められた月海老人の白髪の木乃伊であった。織部らに無人の塔に運ばれた月海老人の木乃伊は再生した。200年の昔、駿府城より運ばれた黄金の延棒15貫の秘宝はいずこへ?その埋没場所の秘密は月海老人の木乃伊によって握られていた。秘密の継承者猿丸柳斎の娘加代の乳房に月海の手により謎の文字が隠し彫りされた。加代の乳房に迫る悪人輩の魔手。かくて、加代を助けて美男旗本宗像宗太郎の活躍は…。-手に汗を握ぎる波乱万丈の物語。