大奥一代女
牛込七軒寺町にある正栄山仏性寺は寺格も高く、また歴史も古い法華宗の寺であったが、その寺内の一室では住職日啓の娘お美代と、その恋人の中野清茂の2人が甘美なひとときを過ごしていた。16歳のお美代と19歳の清茂の情熱は尽きることがなかった。また、住職日啓も奇跡を現出する僧として大奥にも人気があったが、仏性寺内陣の闇の世界では色道羅刹と化して、大奥女中を相手に性の技巧を発揮し、女たちを随喜させていた。筆頭お年寄常の井はお美代を将軍家斉に献上すべく策動し、恋人中野清茂に同意させた。大奥に上がったお美代と清茂(後に石翁と改名)の野望ははてしなくふくらんでいく!-徳川11代将軍家斉の治世、将軍愛妾お美代の方をめぐる豪華絢爛たる“色道絵図”!