変幻去来坂
謀反の挙に出て敗死した由井正雪は、死の間隙に庶子雪之介を逃がし、これに1万両の黄金の隠し場所を秘めた絵図面を持たせてやっていた。絵図面は雪之介から娘お万の手に、そのお万が大番頭も務めた水野左衛門尉の側室となって絵図面の秘密を告白したことから、左衛門尉がそれをかつての上司で寺社奉行などの重職をも務めた青山頼母に告げて絵図面を預けたのだが、左衛門尉は頼母によって放たれた刺客によって殺害されてしまったのだ。左衛門尉とお万の間に生まれた早苗・主馬之介の姉弟はいま頼母の手から絵図面をとり戻すべく苦心するが、老獪な青山一党の凶刀が2人の身に迫る。その早苗姉弟を助けるのは春之介と名のる虚無僧であった。-はたして黄金の謎を秘めた絵図面の行方は…!