忍者霧隠才蔵
織田信長が天下を掌握した天正期、伊賀国の忍者の頭領として君臨していたのは藤林長門と百地丹波の2人であった。しかし、この長門と丹波が実は同一という秘密を探り出した人物があった。その男こそ出羽月山の修験者霧法師の倅、旅の忍者霧隠才蔵であった。その才蔵の背後に、百地忍党中で5本の指に数えられる手錬者、伊賀下忍石川文吾(後の五右衛門)の恐るべき殺刀が迫っていた。呼吸をのむ驚天動地の忍者合戦!そして、その隠し砦と、それを取り巻く迷路の秘密を才蔵に奪われた伊賀忍者の報復は、才蔵の新妻淡雪を奪い去ることであった。淡雪のうえに迫る怪しの忍法“夢殿しばり”、-猿飛佐助も登場。大坂城落城に至るまでくりひろげられる壮烈なる戦国忍法絵巻。