春風あばれ街道
元禄四年の早春、天下の副将軍水戸黄門とお供の渥美格之進、佐々木助三郎の三人旅は、奥州路へと向かっていた。-おなじみ水戸黄門漫遊記を描く長編快作。奥州宇多郡中村六万石相馬大膳之亮の城下から、伊達領の一万八千石安房守宗良の領内へと老公の旅は続いていく。各地で老公の裁きによって事件は解決する。一ノ関への山中で三万石一ノ関田村右京太夫の家来脇田新三郎と出会い、真影一刀流牧主水之助の娘お梅との伯もとりもってやった。庄内村で出会った百姓吉右衛門の話から、酒井家の重臣田川新五左衛門の悪事をも老公はみごとに裁いてやった。奥州路の旅から江戸へ戻った三人旅は、次には東海道を京へ上ることになった。老公を待つ次なる事件とは…。