小説むすび | 血ぬられた薔薇

血ぬられた薔薇

血ぬられた薔薇

発売日

1988年8月1日 発売

一見何の関係もなさそうな2人の女が相次いで生命を奪われ、その左腕を切り取られた。1人は映画のスクリーン上で濃艶な美貌と甘い歌声をうたわれた女優吉野小夜子、もう1人はこれも凄艶な美貌の持ち主、“白蛇のお菊”の異名を持つ女スリ。いつものくせで、居酒屋でしたたかに酔ったわたし(駆け出しの探偵小説家松下研三氏)のカバンの中に、いつの間にかまぎれ込んでいたコルトの拳銃。あやめもわかぬ暗黒の中に、青白い燐光を放って浮き上がった人間の片腕。-わたしを震えあがらせたこの二つの事実から、神津恭介はみごとに犯人を推理した。残るは決め手となる証拠だけだ。(「女の手」)-ほかに表題作「血ぬられた薔薇」をはじめ6編を収録。

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