春雷
“鬼隼人”許すまじー怨嗟渦巻く豊後・羽根藩。新参の多聞隼人が“覚悟”を秘し、藩主・三浦兼清を名君と成すため、苛烈な改革を断行していた。そんな中、一揆を招きかねない黒菱沼干拓の命を、家老就任を条件に隼人は受諾。大庄屋の“人食い”七右衛門、学者の“大蛇”臥雲を招集、難工事に着手する。だが城中では、反隼人派の策謀が…。著者畢生の羽根藩シリーズ第三弾!
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中学での番長争い。差別的な体罰を繰り返す教師への憤怒。屑鉄拾いのツネオの懸命な恋。父親への初めての反抗。東京からやってきた美少女美智子への淡い恋。「高木の家」を目の敵にする古い商店の者たち。半島へ帰る者、留まる者。すべての光景が峻烈に鮮やかに浮かび上がる。十四歳という嵐の季節を著者自らの体験をもとに描く自伝的長編『海峡』第二部。 1999/10/20 発売
春雷春雷
鬼隼人、許すまじー財政難に喘ぐ豊後・羽根藩には、怨嗟の声が渦巻いていた。十五年前に仕官、やがて御勝手方総元締に任じられた多聞隼人が、藩主・三浦兼清を名君と成すために、領民家中に激烈な痛みを伴う改革を断行したためであった。そんな中、誰も成し得なかった黒菱沼の干拓の命が下る。一揆さえ招きかねない難題であった。それにも拘わらず、隼人は家老に就くことを条件に受諾。工事の名手で“人食い”と呼ばれる大庄屋・佐野七右衛門、獄中にあった“大蛇”と忌み嫌われる学者・千々岩臥雲を召集、難工事に着手する。だが、城中では、反隼人派の策謀が蠢き始めていた…。『蜩ノ記』『潮鳴り』に続く羽根藩シリーズ、待望の第三弾! 2015/03/11 発売