礼儀正しい空き巣の死
東京・国分寺市の閑静な住宅街で、盗みに入ったホームレスが風呂を拝借してそのまま死んだ。靴を揃えて服を畳み、割れたガラスを補修して、やけに礼儀正しい空き巣の最期だった。死因は持病の心疾患で事件性はなく、刑事課の管掌外。だが臨場した金本刑事課長は、そこが三十年前の美少女殺害事件の隣家であることに気づいた。これは単なる偶然か、何かの因縁なのか?金本から相談を受けた卯月枝衣子警部補は、二つの死の繋がりを探るべく、極秘に捜査を継続する。三十年越しの“視線”にゾッとする、新感覚ミステリー!