武田三代記(3)
父信虎を追放してその領国体制を無傷で引き継いだ若き信玄は、文武両道に通じたエリートであり、源頼朝のように謀略性に富み、粘り強く且つ慎重な性格で、複雑な思考の持主であった。諏訪攻めを手始めに信濃全土の征服に向かって合戦を繰り返し、ついに越後の謙信と対決することとなった。この「信玄の巻(上)」は、諏訪攻めから川中島の大激戦前夜までを書いたものである。
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信玄の父信虎の生涯は、波瀾に満ちた81年であった。25年の歳月を費して乱国を統一し、甲府を開いて武田家を守護大名から戦国大名へ押し上げた。国主であった期間は、信玄よりも長く、信玄に国外へ追放されて、なお33年間を異境で生き抜いた。信玄卒去の報に接して、京都からその老躯を信州高遠まで運んできた。この「信虎の巻」は、その誕生前夜から駿河へ追われるまでの辛苦に満たち50年を書いたものである。 1988/03/01 発売
武田三代記(2)武田三代記(2)
信玄の父信虎の生涯は、波瀾に満ちた81年であった。25年の歳月を費して乱国を統一し、甲府を開いて武田家を守護大名から戦国大名へ押し上げた。国主であった期間は、信玄よりも長く、信玄に国外へ追放されて、なお33年間を異境で生き抜いた。信玄卒去の報に接して、京都からその老躯を信州高遠まで運んできた。この「信虎の巻」は、その誕生前夜から駿河へ追われまでの辛苦に満ちた50年を書いたものである。 1988/03/01 発売