これからがわがトウベツ。声は波うって、隊列のしんがりまで伝えられていった。元家老ら先遣隊は、新政府役人への忍従を強いられながらも、石狩川流れる氷雪の原野へ。
「なぜ斬らん、真実この阿賀妻をお家の害悪と思うなら、斬奸状をたかく揚げて斬るがよかろう…」旧藩士たちの、旧い主従関係と、新しい生き方への葛藤は深い。明治期の北海道を描く歴史大河小説。 1992/02/01 発売