いつもハッピィ・モーニング
こんなのはなにかのまちがいにきまっているー伸弥はなにがなんだかわからずに、無人の駅前広場に突っ立っていた。朝とまったく同じ、きれいさっぱり、あっけらかんと静かなのだ。電車も動いていず、人々はベッドやふとんの中で、あるいは道端で、ぐっすり眠っている。それも、みんな幸せそうな顔をして…。起きているのは伸弥のみ。パニックに陥って街中を走り回った伸弥だが、仕方ない、とりあえず年上の女友達・二谷静香さんのマンションにいってみようと、自転車を拝借した。走っているうちに、起きている人間に出会うかもしれない…。甲州街道を走っていると、車のエンジン音が聞こえてきた。ベンツが伸弥を襲った!男が運転している。その男、酔っ払いの郭と、伸弥は東京探険へと出かけた。伸弥の背後に取り憑いた少女の霊、深夜歩きまわる夢魔。不可思議なことが続く。伸弥たちのサバイバル。次々と意表を衝く気鋭のSFファンタジー。