質実剛健を旨とする大企業“吉平重機”。9000人の社員が働く職場にはさまざまな人間関係が渦巻いて、思わぬ事件が-。ビジネス戦士たちの愛憎を描く、新鋭の力作。新機軸の企業ミステリー連作集。
「刻苦勉励、切磋琢磨、率先垂範」がモットーの典型的な日本企業、吉平重機では「わが社本位主義」の軋みから「社内犯罪」が頻発していた。自らの出世の妨げとなる危機的局面において、骨の髄まで企業論理に染まった管理職たちは、いかに機略を巡らし危機を回避するのか?いかにもありそな彼らの滑稽な奮闘振りを、ミステリーの薬味をきかせて描く痛快カイシャイン小説。 1993/04/25 発売