製法特許公開、日出製作所式国会議員の作り方。会社が推挙する候補者の選挙運動を命じられた中間管理職サラリーマン。涙ぐましい努力の果てに得たものは-。愛と蛮勇の実感的カイシャ小説。
「和を以て貴しと為す」を社是とする日出製作所。入社10年目の羽島民義は、本社から企業城下町・日出市へ転勤になった。そこで命じられた「企業ぐるみ選挙実行部隊長」。自らの出世を賭けて、羽島は悪戦苦闘、下請け工場28社の組織票をまとめていく。だが、投票前日、本社上層部が翻意、敵対陣営への鞍替えを指示された。カイシャ絶対主義に翻弄されるカイシャインの哀しい性を描く。 1995/05/01 発売