小説むすび | 八重の舟

八重の舟

八重の舟

出版社

風詠社

発売日

2022年1月4日 発売

八重は、幼い頃、両親を亡くし、九州の玄界灘に面した島で漁師をしている祖父母に育てられた。その後、十八歳で那嘉田家へ嫁ぎ、一年後には娘が生まれ、皆が仲睦まじく暮らしていた。しかし、三年が過ぎた頃、八重の運命は激変する。那嘉田家の多額の負債を返済するため、遊郭へ奉公へ出される。迎えに来るという言葉を信じて待ち続けるが、音沙汰の無いまま七年が過ぎていた。八重は遊郭から抜け出すために老県会議員の保身のための策略に加わり、一人の少女の恋を引き裂く。遊郭から自由の身になり、懐かしい古里へ戻ったものの、そこはかっての古里ではなく、しかも八重は自らの数奇な運命を知ることになる。やがて古里の小島を離れ、飯屋を出した。そこで、八重は、自らが産み落とした娘と再会するのだが……。波間に漂う小舟のように過酷な運命に翻弄される女の人生を描く。
一章 那嘉田家の嫁/二章 観音堂/三章 糸/あとがき

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